■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501-578 前100 次100 最新50


スレッドの大きさが 512KB を超えています。残念ながらこのスレッドには書き込めません。

AAスレ Part5

442 名前:バカの壁 投稿日:2003/08/03(日) 17:16
正志は、母に連れられて大晦日に彼の実家を訪れた。
郷里は島内で広大なサトウキビ園を所有し砂糖の生産も手がける資産家であり、
彼は幼い頃から何不自由もなく育てられたのだが、彼には年頃の可愛い妹がいた。
彼女は少し人見知りが激しくて、およそ一年前にそんな妹を心配して自分のパソコンを
貸しあたえた。そしておもむろにキーボード操作をして、インターネットのある地方掲示板を開き、
ほれやってごらんと、優しく指導してあげた。掲示板とは無数に存在するホームページの一種で
匿名同士の者が各々のハンドルネームを決めて、自由に書込みをして文章で交流できる。
近年の老若男女問わず、パソコンによるコミニュケーションのブームとなっている。

443 名前:バカの壁 投稿日:2003/08/03(日) 17:17
その掲示板の住民は彼女よりひと回り以上の変わり者達で、
おそらくモテないであろう男ばかりであろう。
兄は、社会に対してあまり免疫のない彼女最初のうちはヒヤヒヤしていたが、
彼女は最初のうちこそ辿々しかったが、しだいに大胆に開放的に自分の殻を
打破って明るくなっていく妹を見て安心する。それにすぐに彼女は本領を発揮しはじめ、
掲示板のフォーマットの中に文字や記号を空間的に配置することによって
擬似的に描かれる絵=AA(アスキートアート)の使い手となり、一目おかれる存在となる。

444 名前:バカの壁 投稿日:2003/08/03(日) 17:18
しかし最近になって母が、あまりに夢中になりすぎて部屋に閉じこまるようになった娘を見て
心配するようになる。夜中にパソコンの電源を入れっぱなしで寝ている娘に黙って
こっそり画面を覗き込んだこともある。少し過激な文章に赤面した。すぐに禁止を求めた。
しかしそれではあまりにも可哀想だと、兄は母に抗議をした。
「解りました...よろしいでしょう」
しかし条件付きで解消を求めてきたのだ。 その条件とは、実家に戻って幼な馴染みの麻衣マチ子と
結婚すること。 マチ子は、まいちんぐ〜というかけ声ともに片足をあげてスカートを
たくし上げる仕種がとってもキュートな娘だ。しかし高校生の妹と同い年なのだ。

445 名前:バカの壁 投稿日:2003/08/03(日) 17:19
しばらくして決心をした正志はマチ子との結婚を宣言して、
この旧家と決別するつもりで帰省したのだ。
田代家の屋敷はωの形をしたコンクリート打ちっぱなしの風変わりな建物である。
ωの中心にホールがあり、そこから2つの棟が羽根状に上向きに伸びていているのだ。
 その夜、マチ子は自室の窓から向かいの正志の姉の部屋で
女が男の首を締める影を目撃する。 驚いて現場に向かったマチ子だが
ホールからその棟に入る扉に鍵がかかっていたため、庭に回り込むことにした。
そして義姉の部屋には正志の扼殺死体。いやただけいれんを起こして倒れているだけだった。
どうやら正志は姉のお気に入りの座布団を無断で使用していたようだ。

446 名前:バカの壁 投稿日:2003/08/03(日) 17:20
翌日、今度は妹が浴室で何ものかに覗かれるという騒ぎが起きた。
「またやったわね〜犯人はあなたね!!」
続いて姉は正志を犯人だと決めつける。
「誤解だ〜よ〜」
そして、自室で倒れているところを発見される。
妹はそんな一部始終をインターネットの世界で丁寧に絵付きで解説し報告する。
そんなとき、掲示板をいつも見ていた通称カエルという男は、現実に会った事もない
人々を変態心理学という独自の解釈で推理し、事件の真相に迫る。
翌日、カエルの指示のもと浴室の壁を点検していた彼女は"ハアハア"と書かれた血文字を発見する。

514 KB
掲示板に戻る 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501-578 前100 次100 最新50
名前: E-mail(省略可)
read.cgi ver4.20 onpuch original (2002/04/20)